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農に生きる

田原市をイチジクの一大産地に
いちじく部会 天野亘さん

いちじく部会の部会長を務める天野亘さんは、奥様、養父、息子、従業員の5名でハウスと露地栽培合わせて140aの面積でイチジクを栽培しています。結婚を機に就農した天野さんは、碧南市のイチジク農家生まれだったことから「農業をいずれはやりたいと思っていた」と話し、就農当初は切り花を栽培していましたが、徐々にイチジクに切り替えていったそうです。

 

 

イチジクの品質を左右するポイントを尋ねると「太陽光」だと教えてくれました。「イチジクは赤さと甘さが比例する。赤い色を出すためには、太陽光(紫外線)に当てないと赤く着色しない」と太陽光の重要性を話します。イチジクは、枝の背丈が高く葉も大きいため、特に下部は日陰になりやすく着色が難しいそうですが、天野さんが『マルチのテント張り』という技術を生み出したことでイチジク栽培に大きな影響を与えました。

 

 

畝上に白色マルチシートを被覆することで、太陽光を反射させて下部にある果実の着色を向上させるだけでなく、根を太陽光から守り土の水分蒸発によるハウス内の湿度上昇の防止、また、テント張りにすることでムラなく灌水することができます。
このように、天野さんが生み出した技術と高い品質、低い廃棄量を目指した経営方針が評価され、2020年に「第21回全国果樹技術・経営コンクール」で農林水産大臣賞を受賞しました。

 

 

受賞後、県内外から多くの方がハウスの視察に訪れるようになったそうで、天野さんは「自分が知る技術は、皆さんに知っていただきたい」と技術の普及に力を入れています。また、新規栽培者の多いいちじく部会ですが、月に1回の栽培講習会を開催し、また定期的な目揃え会では『一次選果の徹底』を呼びかけ、部会全体の栽培技術と品質向上に努めています。
天野さんは「新規栽培者を支援しながら、田原市をイチジクの一大産地としてさらに盛り上げ、感動してもらえるようなイチジクを作り続けたい」と熱く今後について話してくれました。

 


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