みなみinfo

農に生きる

高品質なイチゴを作り続けたい
田原いちご部会 堤昭人さん

田原いちご部会長を務める堤昭人さんは、母親と妻とともに23aの面積でイチゴを栽培しています。堤さんは、作りやすさと収量の多さから、酸味が少なく甘さのある「章姫」を栽培し、12月から5月まで出荷しています。

堤さんは、就農当初は他の品目を栽培していましたが施設栽培をしたいという思いから、平成10年からイチゴの栽培と始めました。「最初は、全く分からなかったため先輩に聞いたり、ほ場を見てもらったりして栽培方法を一から学んだ」と当初を振り返ります。

 

 

今季の生育状況は残暑の影響で例年より2、3週間出荷が遅れているそうです。イチゴは『低温』『短日』『低窒素』という条件で花芽を付けますが、今季はなかなか気温が低くならなかったことが原因で花芽が付くのが遅くなったようです。イチゴの栽培歴が20年を超える堤さんでも、ここまで出荷が遅れるのは初めてだったと話します。「来年もこの暑さが続くようであれば、対策を考えなければいけない」とこれから起こり得る問題について検討しています。

 

 

イチゴの栽培で特に大切なことは「育苗」だと堤さんは話します。イチゴの育苗は、親株から茎を切って半年かけて苗にします。その際、肥料を適切に与えること、人の手を入れた後には必ず消毒を行うことが株元の太い苗を作るために欠かせない作業となるそうです。特にイチゴは「炭疽病」という病気が発生しやすく、小さな傷から感染するため、育苗期には細心の注意が必要です。堤さんは「苗作りに失敗してしまうと作り直しができないから、消毒は最も重要で、定植するまでは安心できない」と力強く語り、苗作り期間の重要性を強調しました。

 

 

今後について堤さんは「物流の2024年問題の影響で、収穫されたその日に出荷することが難しくなり、品質面で不安もありましたが、市場からは変わらず『品質が良い』との評価をいただいています。これからもその評価を維持できるように頑張りたい」と意欲を語ってくれました。


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